展覧会Exhibitions
ART”being” −在り続けることへ−
1999.06.08 - 1999.06.19
- 開場時間
- 10:30〜18:30(最終日17:00)
- 休館日
- 無休
- 入場
- 無料
- 会場
- 京都精華大学ギャラリーフロール
- 主催
- 森雅子
- ディレクター
- 森雅子
概要
今展は森雅子さんを中心とする京都精華大学美術学部卒業生、及び教員である8名の作家による展覧会です。
絵画・陶芸・インスタレーションなどさまざまな形態で制作された4人の「作家」(乾茂樹、佐川晃司、西村歓子、安喜万佐子)の過去の作品を、「企画者」と「協力者」である他の4人(森雅子、大久保嘉恭、芝真由美、袖岡千佳、)が”在るということ”に焦点を合わせて読みとり、自らの作品をも含めて約30点を新たに選び展示します。
展覧会を「作家」から「観者」への作品の発表の場、「点」として考えるのではなく、展覧会後もその作品が提示する問題を「観者」(「作家」も含め)が考え続ける「線の中の一点」として提示するという姿勢を通して、作品が「在り続けること」を探ろうという試みです。
ディレクターより
私にとって作品を見ることは、無数の質を持たざるを得ない社会を、一日に幾度も横断するような日常での出来事を照り返し、捉え、対処し、次の瞬間を生きるためのひとつの手段です。
今回、「ART”being”-在り続けることへ-」展を企画するに至ったのは、「日常の反射鏡」の装置として私が大切だと考えている作家、乾茂樹・佐川晃司・西村歓子・安喜万佐子が身近にいたから、と言えるかもしれません。
彼らの作品を目の前にする時、”今、ここにいなくては見られない”という「現場性」と、”肉体を持つからこそ捉えきれない”という膨大な「時間性」の交差に触れるように思います。
おそらく私が彼らの作品に見るのは、現実とフィクションの両義への試みを介在させた、「生きているのはあなた自身で、生きているのは私自身だ」という境界線の出所の深さであると思います。それが私にとって日常の反射鏡のような役目を引き出すのでしょう。
一方で、そんな静かで深いメッセージは、”美術”というひとつの単位を使って発信されています。そこには”ある条件”が伴われているのであり、私自身もまたそれを使って作品を見ていると言えるでしょう。
今回、作品とその”ある条件”、普遍的なメッセージ、そして何より実際の観者がどんな関係を持ちうるのかを、私自身作家として探るために、初めに「四人展」を企画しました。
またそれに追随して、作品を多方向から深く読み取るために、若い作家、大久保嘉恭・芝真由美・袖岡千佳に呼びかけました。この企画において、「乾茂樹・佐川晃司・西村歓子・安喜万佐子」は”作品における企画者(私)の代弁者”であり、「大久保嘉恭・芝真由美・袖岡千佳」は、”作品を読むことにおける企画者(私)の代弁者”です。
今回のギャラリーフロールでの「ART”being”-在り続けることへ-」展は、そんな試みの第一回として、4人の作家を軸に、3人の協力者、そして企画者の作品を展示します。
どうか、会場に足をお運びください。どんなことを感想として持たれたか、お聞かせ下されば幸いです。
出品作家略歴
出品者 乾茂樹 佐川晃司 西村歓子 安喜万佐子 大久保嘉恭 芝真由美 袖岡千佳 森雅子 |
乾 茂樹 SHIGEKI INUI | ||
1967 | 兵庫県生まれ | |
1990 | 京都精華大学美術学部造形学科立体造形専攻卒業 |
個展 | ||
1990 | 画廊ポルティコ (神戸) | |
1991 | ギャラリー16 (京都) | |
1993 | ギャラリー16 (京都) | |
1994 | ギャラリー16 (京都) | |
1995 | ギャラリー16 (京都) | |
1996 | ギャラリー16 (京都) | |
1997 | ギャラリー16 (京都) | |
1998 | ギャラリー16 (京都) |
グループ展 | ||
1986 | [INNOCENT HAPPEN OF FIVE ONE] 川崎倉庫 (大阪) | |
1988 | [HAPPY Xmas presents show `88/`90/`91] ギャラリーすずき (京都) |
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1990 | [京都精華大学美術学部卒業制作展] 京都市美術館 | |
1995 | [アートヘルメット展] ギャラリー16 (京都) |
佐川 晃司 KOJI SAGAWA | ||
1955 | 福井県生まれ | |
1979 | 東京芸術大学美術学部絵画科卒業 | |
1985 | 東京芸術大学大学院美術研究科博士課程満期退学 |
個展 | ||
1980 | [南北の森] 真和画廊 (東京) | |
1981 | ギャルリー・ミキ (東京)/ASG (名古屋) | |
1982 | [森の底音・肉の北色] 田村画廊 (東京) /銀座絵画館 (東京) | |
1983 | 銀座絵画館 (東京) | |
1984 | 東京芸術大学陳列館 (東京) | |
1987 | [彼処] 田村画廊 (東京) | |
1989 | ギャラリー16 (京都) | |
1990 | [さまざまな眼-23佐川晃司] かわさきIBM 市民文化ギャラリー (神奈川) |
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1991 | 石屋町ギャラリー (京都) | |
1992 | [近作展-10] 国立国際美術館 (大阪) | |
1993 | [佐川晃司 1980年の作品] 石屋町ギャラリー (京都) | |
1995 | 石屋町ギャラリー (京都) |
グループ展 | ||
1978 | [DISCUSSION] 藍画廊 (東京) | |
1980 | [絵画:実在力としての愛] 東京芸術大学展示室 (東京) | |
1983 | [現代美術の最前線] ギャラリー・パレルゴン (東京) | |
1984 | [ヒューマンドキュメンツ’84/’85] 東京画廊 (東京) [迂回のパッサージュ] 淡路町画廊 (東京) |
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1985 | [風景画] 東京芸術大学展示室 (東京) [山口の現代美術3] 山口県立美術館 |
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1986 | [SPRING SHOW] ギャラリーK (東京) | |
1988 | [7人展] 東京画廊 (東京) | |
1989 | [3人展] 村松画廊 (東京) | |
1990 | [今、ドローイング…展2] ヒノギャラリー (東京) | |
1992 | [現代美術への視点-形象の間に] 東京国立近代美術館/国立国際美術館 (大阪) |
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1994 | [VOCA展 ’94-新しい平面の作家たち] 上野の森美術館 | |
1995 | [水戸アニュアル’95 絵画考-器と物差し] 水戸芸術館現代美術ギャラリー |
西村 歓子 KANKO NISHIMURA | ||
1967 | 京都生まれ | |
1991 | 京都精華大学美術学部造形学科陶芸専攻卒業 | |
1993 | 京都精華大学大学院美術研究科修了 |
個展 | ||
1992 | ギャラリーマロニエ (京都) | |
1994 | INAXギャラリー2 (東京) | |
1995 | フレッチャーチャレンジ国際陶芸展(ニュージーランド)審査員賞 ファエンツァ国際陶芸展(イタリア)金賞 |
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1996 | アートスペース虹 (京都) | |
1997 | アートスペース虹 (京都) | |
1998 | アートスペースJONAISAKA (栃木) アートスペース虹 (京都) |
安喜 万佐子 MASAKO YASUKI | ||
1970 | 大阪市生まれ | |
1992 | 京都精華大学美術学部造形学科洋画専攻卒業 | |
1994 | 京都精華大学大学院美術研究科修了 |
個展 | ||
1993 | ギャラリー16 (京都) | |
1995 | [-”retina”-] ギャラリー16 (京都) [-”there”-] ギャラリー16 (京都) |
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1997 | [-”be”-] ギャラリー16 (京都) | |
1998 | [-明るさの世界で みるために-] ギャラリ-16 (京都) |
グループ展 | ||
1991 | [京都アンデパンダン展] 京都市美術館 (京都) [“タブラ・ラサ”展] 京都四条ギャラリー (京都) |
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1994 | [国際交流展] 京都国際交流会館 (京都) [芸術系大学選抜展] 京都市美術館 (京都) |
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1995 | [“field book” drawings] [岩城直美+安喜万佐子] 自由空間 (大阪) |
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1996 | [“絵画-在ること-”] ギャラリー16 (京都) | |
1997 | [絵画の方向’97] 大阪府現代美術センター (大阪) | |
1998 | [新鋭美術選抜展] 京都市美術館 (京都) [ 絵画の方向’98] 大阪府現代美術センター (大阪) [ART UP!-揺籃する位置-] 大阪府立現代美術センター/広島ロキシーサイドミュージアム/ 神戸アートビレッジセンター |
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1999 | [VOCA展’99 新しい平面の作家たち] 上野の森美術館 (東京) |
大久保 嘉恭 YOSHIYUKI OHKUBO | ||
1971 | 京都生まれ | |
1994 | 京都精華大学美術部造形学科洋画専攻卒業 | |
1996 | 京都精華大学大学院美術研究科修了 |
個展 | ||
1995 | [It is it.] ギャラリー白 (大阪) | |
1997 | [where] ギャラリー16 (京都) |
グループ展 | ||
1994 | [PENTAD] 画廊ポルティコ (神戸) [-異なる位置-] 京都国際交流会館 (京都) |
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1996 | [“「絵画」-在ること-”] ギャラリー16 (京都) |
芝 真由美 MAYUMI SHIBA | ||
1972 | 京都生まれ | |
1994 | 京都精華大学美術部造形学科洋画専攻卒業 | |
1996 | 京都精華大学大学院美術研究科修了 |
個展 | ||
1995 | [ -Equivalent-] ギャラリーマロニエ (京都) [-SEE-] 京都市中央郵便局 (京都) [-Face to face-] 京都精華大学 7-23ギャラリー |
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1997 | [-Neighborhood-] サントリーコーヒーバー (京都) | |
1998 | [-Distance-] SARACCA (京都) [-Look back-] JUNPAK (京都) |
グループ展 | ||
1994 | [PENTAD] 画廊ポルティコ (神戸) [-異なる位置-] 京都国際交流会館 (京都) |
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1996 | [Fantabul 11] 京都大学西部講堂 (京都) [共鳴 共振] ギャラリーRAKU (京都) |
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1998 | [第19回インパクトアートフェスティバル’98] 京都市美術館 (京都) |
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1999 | [Lboru?展] ギャラリーSOAP (福岡) |
袖岡 千佳 CHIKA SODEOKA | ||
1973 | 京都生まれ | |
1995 | 京都精華大学美術部造形学科洋画専攻卒業 | |
1997 | 京都精華大学大学院美術研究科修了 |
個展 | ||
1995 | ギャラリー16 (京都) | |
1996 | [just strolling] ONギャラリー (大阪) | |
1997 | ギャラリー16 (京都) | |
1999 | [-田んぼ-] ギャラリー16 (京都) |
グループ展 | ||
1994 | [袖岡千佳・余語道代 ~痕跡~] ギャラリーマロニエ (京都) |
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1996 | [“絵画-在ること-”] ギャラリー16 (京都) |
森 雅子 MASAKO MORI | ||
1973 | 京都生まれ | |
1995 | 京都精華大学美術部造形学科洋画専攻卒業 | |
1997 | 京都精華大学大学院美術研究科修了 |
個展 | ||
1995 | [ash to ash] 滋賀県立近代美術館ギャラリー (滋賀) | |
1996 | [film] ギャラリー16 (京都) |
グループ活動 | ||
1996 | [美術追伸社] に参加 |
展示作品一覧
記録