展覧会Exhibitions

管派/穴派

2025.02.25 - 2025.03.07

開場時間
11:00~18:00
休場日
3/2(日)
料金
無料
会場
京都精華大学ギャラリーTerra-S
出品作家
岡﨑未樹、兒玉真太郎、佐々木大空、ヤマモトナツキ
主催・企画
山本夏綺
メインビジュアル
ヤマグチナナコ

チラシダウンロード(PDF)

概要

「管/穴」は小説『不思議の国のアリス』や映画『ムカデ人間』など、ジャンルを超えて多くの表現の中で登場してきました。本展示も広義の管/穴を扱いながら制作を行う作家の展覧会です。 岡﨑未樹による葬いのための穴をテーマにした映像作品、兒玉真太郎の炭鉱の坑道と石炭層をモチーフにしたインスタレーション、佐々木大空の筒状の音響作品、ヤマモトナツキの内臓肉(=管)をモチーフにしたインスタレーションなどを中心に、4名の活動を展示します。管/穴は、空洞という言葉が示すような「空」の部分に着目され、「ないけれどあるもの」として扱われることがあります。別世界への入口である穴や、地下世界でどこまでも続いていく管のイメージなども、認識できないものとしての管/穴であると言えるでしょう。一方で、私たちの取り組みは「あるけれど捉えがたいもの」へのアプローチであると考えます。本展には、自分で掘った穴だったり、産業で利用される穴だったり、構造としての管であったり、一見すると把握できそうな管/穴が登場します。しかしそれらは、家族の死や、遠方で生きる人物との距離感、自己と他者の関係性、身体の制御不能さといった、「掴みきれないもの」に対して制作を通して接近しようとした様子が表れています。本展示は私たちにとって通過地点のような存在でもあり、展覧会後も管派/穴派の各々は制作やリサーチを続けていきます。

アーティストプロフィール

岡﨑未樹|Okazaki Miki
岡山県出身、茨城県在住。2021年秋田公立美術大学美術学部美術学科アーツ&ルーツ専攻卒業、2024年東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。主に「生と死」「看取り」「葬い」をテーマに映像、テキスト、イラストなどを用いて制作している。いなくなる/消えてしまう現象に対して、他者との対話や行動を共にすることで、その人の記憶、後悔、意思に触れたいと考えている。届かないものに対して行動し語る/ 声にすることで、生存を肯定したい。


岡﨑未樹《わたし かめ あなた》2024
ドキュメンタリー映画

WEBポートフォリオ
https://omichan3148c6e.myportfolio.com/

Instagram
https://www.instagram.com/okazaki46/

兒玉真太郎|Kodama Shintaro
千葉県出身、福岡県在住。2022年法政大学文学部地理学科卒業、2024年九州大学大学院芸術工学府芸術工学専攻修了。過疎地から都市まで、調査と表現を行き来しながら、自身を含めた人々の動きを見つめ、地域に位置づける。“眼前の景色はどのようにしてできたのか” を興味の起点に、フィールドワークと文献調査に基づく成果を地理学やデザインの分野で発表してきた。視座に自覚的になりながら、無数の眼差しの蓄積として浮かび上がる “地域のイメージ” や “土地の記憶”を扱い、写真やインスタレーション、書籍やツアーの企画などによる作品を制作している。

WEBサイト
https://shintarokodama.com/

Instagram
https://www.instagram.com/asama_kodama/

佐々木大空|Sasaki Sora
青森県出身、京都府在住。2021年秋田公立美術大学美術学部美術学科ビジュアルアーツ専攻卒業、2023年京都市立芸術大学大学院美術研究科美術専攻彫刻修了。人が音を発すること/聞くことの意味について改めて考察しながら、音が出る/音を出せる装置や構造の制作を行う。また楽器について「人類の歴史の中で仕組みや役割を変えながら存在してきた音を出すための道具」という観点から、その存在理由や演奏行為、演奏される空間について考えている。最近では、人間が存在しうる上で必然的に発生してしまう音という現象について、極めて不可避的な他者感を覚えながらも、自らと他者、あるいは他者と他者に関係性を発生させようと試みる道具としての作品制作を行っている。


佐々木大空《その錐体はゆれていた》2021

作品映像(YouTube)
https://youtube.com/channel/UCfSmVFhCv7rlc31zoaMCb3A?si=_aE3eA1ivb4XzReQ

ヤマモトナツキ|Yamamoto Natsuki
愛知県出身、京都府在住。2022年京都精華大学芸術学部立体造形専攻卒業、2024年秋田公立美術大学大学院複合芸術研究科修了。日常に登場するような「モノ」(ストロー、おとし穴、クッキーなど)をモチーフにした作品を制作している。文献調査や取材などの過程を通して、モチーフに内在、あるいは付随する要素を抜き出し、仮設的な状況として空間に表す方法を用いる。制作のテーマとしては「身体の制御不能性」に関心があり、作品によって「すこし諦める身体性」の表現を試みている。


ヤマモトナツキ《Accept all cookies?》2024

ポートフォリオ
https://drive.google.com/file/d/1x18duuhsqiJDS2-lObha21mSUA3tkWVO/view?usp=sharing

Instagram
https://www.instagram.com/ymmt.natsuki/

関連イベント

「管/穴の中サミット KYOTO 2025」
(参加アーティストによるトークイベント)
日時:2025年2月25日(火)13:00 – (1時間程度)
会場:展示会場内イベントブース

ヤマモトナツキ「もぐらジオ」
(公開ラジオ収録)
日時:不定期開催(Instagram: @kudaha_anahaで告知)
会場:展示会場内イベントブース