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展覧会Exhibitions

Kaleidoscope:藤井俊治/柴田精一

2024.01.26 - 2024.01.31

開場時間
11:00~18:00
休場日
1/28(日)
料金
無料
会場
京都精華大学ギャラリーTerra-S
主催
京都精華大学現代アートプロジェクト実行委員会
企画
松田柴馬、藤浦心音、松尾風花、鍋倉悠希、中村琴梨
監修
吉岡恵美子(京都精華大学芸術学部教員)

概要

京都精華大学芸術学部の授業「表現研究3,4」「現代アートプロジェクト演習4」を通じて学生たちが自ら立案する企画展として、「Kaleidoscope(万華鏡):藤井俊治/柴田精一」を開催する。

絵画の前に立ったとき、絵の世界に引き込まれるような、心を捉えられて目が離せないような、あるいは焦点が曖昧になり画面を浮遊してしまうような経験をしたことはないだろうか。「平面作品」と言ってしまえば簡単だが、絵画の画面には、色彩、線、モチーフ、マチエール、コンテクストが幾重にも折り重なり、見る者の視線を捉える/彷徨わせる、包み込む/突き戻す、といった複雑で多様な力がある。本展ではその観点から藤井俊治と柴田精一を選出し、彼らの表現世界をKaleidoscopeになぞらえた。

藤井俊治は、ティアラや鏡といったモチーフを半透明に描いたり、ベールのような白い膜を組み合わせ、多層的な絵画を生み出す。アルミ箔などの素材や鏡のモチーフを用いることで、絵画と現実の境界が曖昧になり、見る者の意識を錯綜させる。柴田精一は、折り畳んだ正方形の色紙を気の赴くまま切り出し、重ねて、形や色彩のパターンを浮かび上がらせる「紋切重」の手法を用いる。無意識の領域で作られた型紙が時間を超えて重なることで、絶えず変化する心のイメージを表出させる。

2名の作家は、用いる技法は異なるが、同じ図柄を繰り返し反復させて構成する点や、重ねることで新鮮なレイヤー効果を生み出し、独自の精神性を導き出すという点で共通している。本展では、壁面から床面まで、刻々と変わりゆく陽の光と絡み合いながら絶えず変化する2人の作品を混在させて展示することで、新しいイメージ・感覚が次々と生まれる万華鏡的な空間を作り出す。作品どうしの共鳴、あふれ出す色彩、物質性と精神性の関係性が、見る者の意識を地上の現実と絵画世界との間で行き来させるだろう。

アーティストプロフィール

藤井俊治|Fujii Toshiharu
1983年、滋賀県生まれ。2006年、成安造形⼤学造形美術科洋画クラス卒業、翌年洋画クラス研究生卒業。2009年、京都市⽴芸術⼤学⼤学院美術研究科絵画専攻油画修了。滋賀県在住。
箔・雲⺟・油絵具・アクリル絵具などの多様な画材を⽤いて、ティアラ、鏡、ヴェールなどのモチーフを半透明なイメージとして描き、薄い膜のような多層的で装飾性の高い空間を⽣み出す。近年の主な個展は、「仮縫い」(2023、京都⽂化博物館/京都)、「半透明のドレープ translucent drape」(2020、第⼀⽣命ギャラリー/東京)、「laminate the lights -光の層-」(2018、ギャラリーほそかわ/⼤阪)。近年の主なグループ展は、「Kyoto Art for Tomorrow 2022 京都府新鋭選抜展」(2022、京都⽂化博物館/京都)、「TOKYO☆VOCA /Japanesque!」(2020、第⼀⽣命株式会社ロビー/東京)、「VOCA展2018 現代美術の展望-新しい平⾯の作家たち-」(2018、上野の森美術館/東京)。

藤井俊治《ダークルーム》(2022)
H190×W160cm
パネル、綿布に油彩、アクリル、アルミ箔、雲母、ラインストーン、ジェッソ


藤井俊治《仮縫いの跡》(2022)
H80×W58cm
パネル、綿布に油彩、アクリル、アルミ箔、雲母、ラインストーン、ジェッソ

 

柴⽥精⼀|Shibata Seiichi

1984年、香川県生まれ。2007年、京都精華大学芸術学部造形学科洋画分野卒業。2009年、京都市立芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。兵庫県在住。
切る・折る・重ねる等、独自に考案したオートマティスムに類する方法を用い、イメージの連続性を絶ったり、非日常性を生み出したりすることで、より心象に近いイメージを描こうと試みる。作品は、切紙、絵画、レリーフなどへの展開を見せている。近年の主な個展は、「柴田精一版画展」(2023、KOBE STUDIO Y3[C.A.P.]/神戸)、「手の意思/柴田精一展」(2022、KOBE STUDIO Y3[C.A.P.])、「柴田精一新作展」(2019、2016、2015、ギャラリーヤマキファインアート/神戸)。近年の主なグループ展は、「グループショウ『30-40』(サーティフォーティ)」(2023、KOBE STUDIO Y3[C.A.P.])、「ARTISTS’ FAIR KYOTO」(2018、京都府京都文化博物館別館/京都)、「Chemical Reactions7」(2022、Space31/神戸)「現代アート公募展『assembly』」(2022、ジョブ・スペース・ラボ/神戸)。

柴田精一《紋切重2021019》(2021)
アクリル絵具、和紙


「手の意思/柴田精一展」展示風景(2022年8月、KOBE STUDIO Y3)

クロージングイベント

アーティストトーク 藤井俊治×柴田精一

日時:2024年1月31日(水)17:00-18:00

会場:ギャラリーTerra-S