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展覧会Exhibitions

京都精華大学55周年記念展「FATHOM—塩田千春、金沢寿美、ソー・ソウエン」

2023.11.17 - 2023.12.28

開場時間
11:00〜18:00(12/27(水),28(木)は18:30まで開場)
休場日
日曜日
入場
無料
会場
京都精華大学ギャラリーTerra-S
出品作家
塩田千春、金沢寿美、ソー・ソウエン
主催
京都精華大学
企画
伊藤まゆみ (京都精華大学展示コミュニケ―ションセンター特任教員/ギャラリーTerra-Sキュレーター)、吉岡恵美子 (京都精華大学芸術学部教員)
展示コーディネート
齋藤雅宏(京都精華大学ギャラリーTerra-S展示コーディネーター)
グラフィックデザイン
塩谷啓悟

チラシダウンロード(PDF)

概要

京都精華大学は開学55周年記念展として、塩田千春、金沢寿美、ソー・ソウエンによる展覧会「FATHOM—塩田千春、金沢寿美、ソー・ソウエン」を開催します。
三名の作家たちは、世代は異なりますが、それぞれ本学の芸術学部で洋画を専攻しました。現在は、ともに「絵画」の範疇を飛び出し、空間全体を作品とするインスタレーションや、場所の歴史や記憶をテーマにした作品、「自己とは何か」を自身の身体を投じて探るパフォーマンスなど、多岐にわたる表現領域で活動を展開しています。また、大学卒業後、ドイツに渡った塩田、在日韓国人三世として育った金沢、2020年にアーティストネームを改名したソウエンは、共通してアイデンティティについての問いを表現の核に据えて制作しています。
展覧会タイトルにある「Fathom(ファゾム)」は、人が両手を左右に広げた時の幅に由来する「身体尺」のひとつで、水深を図るのに用いる単位(6フィート=183cm)を意味します。さらにそこから派生して、「理解する」「探究する」という意味にも使われます。自らの身体行為をとおして何かを探り、浮かび上がらせようとする三名の態度・手法を象徴的に表します。
さまざまな共通項を持つ彼・彼女らによる濃密なインスタレーションから繊細な平面作品までをとおして、それぞれが向き合ってきた問いや主題の「現在地」を体感していただけたらと思います。

アーティストプロフィール

塩田千春  Shiota Chiharu
1972年大阪府生まれ。1996年京都精華大学美術学部(現芸術学部)卒業。ベルリン在住。
大学卒業後、渡独。ブラウンシュヴァイク美術大学、ハンブルク造形美術大学、ベルリン芸術大学で学ぶ。過去に誰かが使っていたベッドや衣服、窓枠などを用いた大規模なインスタレーションで知られる。生と死という人間の根源的な問題に向き合い、場所やものに宿る記憶といった「不在の中の存在」を浮かび上がらせてきた。2001年、第1回横浜トリエンナーレに出品し、国内外で大きな注目を集める。以降、世界各国の美術館での展覧会や国際展に数多く参加。2015年には、第56回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本館代表として選出。2019年に森美術館で開催された個展「魂がふるえる」は66万人以上の入場者を集め、その後、韓国、台湾、オーストラリアへ巡回した。
近年の主な国内での個展に、「いのちのかたち」(2022、那覇文化芸術劇場なはーと/沖縄)、「塩田千春展:魂がふるえる」(2019、森美術館/東京)、「『胡蝶の夢』Art for Tomorrow 2018 – 京都府新鋭選抜展」(2018、京都文化博物館/京都)など。


《愛についての手紙》2022
Photo:Doug Eng
©JASPAR, Tokyo, 2023 and Chiharu Shiota


《愛についての手紙》(部分)2022
Photo:Doug Eng
©JASPAR, Tokyo, 2023 and Chiharu Shiota


《空っぽの空間(オランダの精神病院跡地)》2002
京都精華大学蔵

 

金沢寿美  Kanazawa Sumi
1979年兵庫県生まれ。2005年京都精華大学大学院芸術研究科修士課程修了。東京都在住。
これまで日本と韓国の企画展やレジデンスプログラムで作品を多数発表。2013・2014年には北朝鮮に最も近い島で知られるペンニョン島に滞在し、実際の鉄条網を使ったプロジェクト作品を発表する。作品は「個と集団」をテーマに、その両者を行き来するようにして生まれる“間にある世界”を壮大なインスタレーションによって表現している。近年は新聞紙の一部を残して鉛筆で塗りつぶしたものをつなぎ合わせたインスタレーションに取り組む。
近年の主な展覧会に、「Erase and See」(2023、大和日英基金 大和ジャパンハウス/イギリス)、「地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング」(2022、森美術館/東京)、「新聞紙のドローイング」(2021、公益財団法人現代芸術振興財団/東京)、「Beyond The Sun」(2019、仁川アートプラットフォーム/韓国)、「消して、みる。」(2018、遊工房アートスペース/東京)など。


《新聞紙のドローイング》2021
撮影:木奥惠三
公益財団法人現代芸術振興財団


《新聞紙のドローイング》(部分)2022
森美術館


《新聞紙のドローイング》2021
撮影:木奥惠三
公益財団法人現代芸術振興財団

 

ソー・ソウエン  Soh Souen
1995年福岡県生まれ。2019年京都精華大学芸術学部造形学科洋画コース卒業。福岡県在住。
大学在学中から一貫して、自己を成り立たせる「身体」や「他者」、「記憶」への関心を軸に、絵画制作を探究している。2020年に桑園創よりソー・ソウエン(Soh Souen)に名義を変更した。近年の主な展覧会に、「Your Body is the Shoreline」(2023、√K Contemporary/東京)、「ソ―・ソウエン『絶えず壊れてきたし、壊れ続けている(壊れてはいない)』」(2023、rin art association/群馬)、 「第17回福岡アジア美術館アーティストイン・レジデンスの成果展 2022 境界を縁どるー石、呼吸、埋立地」(2022、福岡アジア美術館 7階 アートカフェ/ロビー他/福岡)、「Let it sway, like a ripple of agitation. さざなみのように、ゆらいでみる。」(2022、HIRO OKAMOTO/東京)、「Artists’ Fair Kyoto」(2022、京都新聞社ビル/京都)、「ささやかな叫び A Modest Scream」(2020、The MASS/東京)など。


《my body, your smell, and ours》2020
撮影:井口忠正
The Mass


《Bellybutton and Breathing》2022
撮影:野村如未
福岡アジア美術館


《Bleaching #1》2021

関連イベント

ソー・ソウエン パフォーマンス「Eggsercise」  ※申込不要
日時:2023年11月17日(金)11:00-15:00
会場:明窓館2Fエントランスほか

オープニングトーク ※申込不要
日時:2023年11月17日(金)17:00-18:00
会場:明窓館3FギャラリーTerra-Sほか
※アーティストトーク終了後、レセプション開催(予定)

アセンブリーアワー講演会:塩田千春「1000の夢を描く」  ※要事前申込
日時:2023年11月18日(土)14:00-15:30
会場:明窓館2F大ホール
予約申込フォーム

京都精華大学大学院 芸術研究科特別講演会
「金沢寿美:消して、みる」

日時:2023年12月27日(水)16:20-17:50
会場:京都精華大学黎明館2F L-201
参加費:無料
講演者:金沢寿美(美術家)
聞き手:京都精華大学 芸術研究科長 小松敏宏
主催:芸術研究科
協力:「FATHOM—塩田千春、金沢寿美、ソー・ソウエン」展

※本学の学生・教職員以外は予約制(先着順、30名まで)となります。下記のフォームよりお申し込みください。
予約申込フォーム

キュレーターによるギャラリートーク ※申込不要
日時:2023年12月9日(土)14:00-15:00、12月23日(土)14:00-15:00
会場:明窓館3FギャラリーTerra-S

※諸般の事情により会期・時間・内容等が変更になる場合があります。

【募集終了】塩田千春《夢について》制作のための手紙募集


塩田千春《愛についての手紙》(部分)2022
Photo:Doug Eng
©JASPAR, Tokyo, 2023 and Chiharu Shiota

【募集終了】塩田千春《夢について》制作のための手紙を募集します
本展において塩田千春さんは、1000通以上の手紙を用いた新作インスタレーションを制作します。この作品の一部となる「手紙」を皆さんから募集します。
あなたが夜中に見た夢、もしくは将来の夢など、「夢」をテーマとした手紙をギャラリーまでお送りください。

塩田千春さんからのメッセージ
人はなぜ夢を見るのだろう。夢の世界は脳の中でどのように広がっているのか。なぜ人は同じ夢を繰り返し見るのか。眠りの中で見る夢と、未来を描いて見る夢はなぜ同じ言葉で表されるのか。
皆さんに書いてもらった夢についての手紙を作品に入れることで、現実と夢が入り混じった世界を描きたいと思います。

>塩田千春WEBサイト

手紙について
・手紙は本趣旨にご賛同いただける方ならどなたでもご提供いただけます。(募集は無償でご提供いただける場合に限ります)
・手紙の内容は誰かに宛てたものでも、日記のようなものでも形式は問いません。
・A4サイズの白いコピー用紙をご使用ください。紙種・白色度は問いません。罫線が入っていても構いません。(ギャラリーでも用紙をご用意しています)
・手書きの場合、ペンの種類や色の指定はありません。
・ご提供者のお名前等の掲載はございません。

手紙の提出先
①ギャラリーTerra-Sに設置するボックスに投函いただくか、ギャラリーの事務所までお持ち込みください。
※展覧会終了後、手紙の返却はいたしません。
②A4サイズに設定したPDFデータか画像を以下のフォームよりアップロードしてください。ギャラリーにてA4のコピー用紙に出力します。※1ファイルのサイズは、10MB以内にしてください。

>手紙のアップロードフォーム

募集締切
2023年11月4日(土)17:00 【締切延長:11月13日(月)22:00】

注意事項
・手紙の内容に個人情報(名前その他)が入る場合、作品の中で公開されても問題がないこと、予めご了承ください。

【お問合せ先】
ギャラリーTerra-S (担当:伊藤)
〒606-8588 京都市左京区岩倉木野町137京都精華大学明窓館3F
Tel: 075-702-5263(内線3860)
E-mail: gallery@kyoto-seika.ac.jp

展示風景動画