展覧会Exhibitions

○○が連続された時

2023.02.28 - 2023.03.09

開場時間
11:00~18:00
休場日
3/5(日)
料金
無料
会場
京都精華大学ギャラリーTerra-S
出品作家
唐田綾子、沈楠、朱家宜、ジダーノワアリーナ、中村百花、平岡真生、船越菫
主催
朱家宜

概要

手描きアニメーションと絵画は、動く絵 / 静かな絵として対照的なものだろうか?

何枚もの絵を連続再生することでイリュージョンを見せる手描きアニメーションは、常に時間と共にある。それは我々人間や自然の「生」そのものとも似ている。静止した時間はほとんど死に近い。

では静止した絵である絵画の中に時間は存在しないだろうか。膨大な筆致が重なった画面。ダイナミズムを感じさせる画面。見る人によってその内容が移り変わっていく画面。こうして視点を変えれば、絵画にも時間は存在していると言えるかもしれない。

両者はともに一枚の絵から始まり、成長していく。

指先で一筆一筆描く中で作り手の意図や心境が画面に流れ込み、それらの絵が時には何千枚単位で綿密に繋ぎ合わさる。「ひとコマ」と言われる一枚は1/24 秒の存在でしかなく、それらがたくさん連続され、初めてアニメーション作品と呼ばれる。

絵画を描く前には、何枚もの習作と素描が重ねられる。最後に出来上がる作品は一枚でも、そこに何枚もの絵が畳み込まれている絵画は、手描きアニメーションと近いようでもある。

静と動、習作と本作といった一見対照的なもの達の境界に、異なる領域で活動する7名の作家が光を当てる。

アーティストプロフィール

唐田綾子   KARATA Ayako
1996年大阪府生まれ。2022年京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻油画修了。社会制度に対してずれる個人の身体と欲望をテーマに制作する。 主な個展に 「局所的神話」(京都市立芸術大学構内ギャラリー/京都、2020)、  「反復と乱反射」 (Books&Coffee Sol.2Fノランナラン/京都、2021)など。京都市立芸術大学作品展・有志展 2019年度にて市長賞受賞。  2021年度京都銀行「美術研究支援制度」購入作品に選抜。

 

沈楠   SHEN Nan
1993年中国湖北省生まれ。現在京都市立芸術大学大学院日本画領域博士課程在籍。主に木をモチーフとして描きながら、木自体より木が受容される空間を表すことによる「開かれた絵」に関心を持っている。近年の主な展覧会に、「禁色-Forbidden Colour-」(GALLERY ART POINT/東京、2021)、二人展(沈楠/鄭天雨)「木と話す・石に聴く」(アトリエみつしま/京都、2022)、「京都日本画新展」受賞者三人展(高島屋美術画廊/京都、2023)など。

朱家宜   ZHU Jiayi
2022年京都市立芸術大学大学院修士課程修了。日頃見る夢や瞑想をヒントに、アニメーションなどの手法を用いて、鑑賞者と作家自身の無意識を写し出す表現を試みる。一枚の絵の持つ素材感と意味に焦点を当て、動く「絵」としてアニメーションを見せる。また、展示空間に合わせたインスタレーションとして作品を再構成する。主な展覧会に、 「Center art festival Tokyo 中央線芸術祭2022」(KOGANEI ART SPOT 2F/東京)、個展「木星の兆」(GOOD TIME COFFEE /京都、2021)など。

ジダーノワ・アリーナ  ZHDANOVA Alina
京都市立芸術大学大学院博士課程に在籍。記憶をモチーフに鑑賞者の記憶と対話するような作品を作る。国内外の映画祭や展覧会などに出展。2021年に「Symptoms」(アートスペース感/京都)をキュレーション。同年、モスクワの生家を訪ね、記憶のフィールドワークを行う。2022年は京都芸術センターとQuartier am Hafen(ドイツ)とのArtist Exchange Programに参加、2ヶ月間ケルンで滞在制作を行う。

 

中村百花   NAKAMURA Momoka
1997年大阪府生まれ。2022年京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻修了。記憶の中にある景色や他者との距離やその繋がりについて考えて絵を描いている。近年の主な展覧会に、「京都府新鋭選抜展」(京都文化博物館/京都、2023)、「Collectors’ Collective vol.6 Osaka」(TEZUKAYAMA GALLERY/大阪、2022) 「京都市立芸術大学 作品展2021」(京都市立芸術大学/京都、2022)など。

平岡真生   HIRAOKA Mao
1999年兵庫県生まれ。2022年京都精華大学デザイン学部建築学科建築コース卒業。他者との関わりのなかで生まれる親密性の変容をテーマとし、テキスト、立体物を用いたインスタレーションを制作する。人との新しい関係性について問いかける作品を試みる。近年の主な展覧会に、 「Center art festival Tokyo 中央線芸術祭2022」(KOGANEI ART SPOT 2F/東京)、 「SHAPE OF US」(BnA Alter Museum / FabCafe Kyoto、京都、2022)、個展「海から生まれる新たな肖像」(京都精華大学カートゥーンギャラリー/京都、2021)など。

船越菫   FUNAKOSHI Sumire
1996年大阪府生まれ。2022年京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻修了。筆跡をなくした平滑な油彩表現によって、ピンボケしたような曖昧な対象物を描き、日常の光や空間性を画面に取り込むことで見る人や作家自身の記憶に問いかける絵画を試みる。近年の主な展覧会に、「町屋×ART SPOT EXHIBITION Vol.3」(THE MACHIYA SHINSEN-EN/京都、2021)、 「UNKNOWN ASIA 2021」(グランフロント大阪/大阪、2021)など。2020年、TOKYO MIDTOWN AWAWD 2020アートコンペにてグランプリ受賞。

場外展示

本展示関連企画として、会期中の二日は、場外展示を実施します。

展⽰時間 = 3月4日 、3月9日  18:00 ~ 19:30
※展示日時は追加する場合があります。
変更の際は、展覧会ホームページにて随時告知いたします。

展⽰場所 = 京都精華大学 明窓館 4階

室内から眺める作品となります。
テラスエリアへのお立ち入りはご遠慮ください。

明窓館3階の階段踊り場からの観賞も可能です。
※足元にお気をつけてお楽しみください※

本館からも音楽の響きが聞こえます。

アニメーション上映プログラム

本展示関連企画として、会期中、参加作家を含むアニメーション作家による作品上映を実施します。(合計30分、ループ)
※上映される作品の写真撮影はご遠慮ください。

ジダーノワ・アリーナ ZHDANOVA Alina

《Favoritka》2015年

想起をテーマにしたアニメーション作品。記憶は思い返す度に新しい記憶へと書き換わっていく。

 

《babushka》2021年

忘れている存在を思い返してみると、祖母のことが思い出せなかった。存在しない記憶を使ってイメージをつくる。

 

《Dobe》2022年

忘却から記憶を紡ぎ出す、個人史をテーマにしたアニメーション作品。ロシアに行って、自分の知らない自分の記憶を探し、描いた。

 

午菴クルミ GOAN Kurumi

《帰るまで》2023年

 

《ツギハギの金星から》2022年

 

朱家宜 ZHU Jiayi 

《10月21日17時》2019年

アヌビスは、亡くなった人々を守る神様。

昔住んだマンションを描くことは、一つのモニュメントを立てることでもあった。

 

《sleepingsheep》2018年

彼女は夢の中で、前世を思い出す。

目が覚めたら、彼女は羊になっていた。

 

李泽昊  LI Zehao

《海馬》2020年