展覧会Exhibitions
Material Love
2025.05.09 - 2025.05.17
- 開場時間
- 11:00~18:00
- 休場日
- 5/11(日)
- 入場料
- 無料
- 会場
- 京都精華大学ギャラリーTerra-S
- 出品作家
- 荒井鈴奈、小山正、坂口静香、新谷嘉子、中村琴梨、鍋倉悠希、村田成
- 主催
- Material Love Project
- グラフィックデザイン
- 小手川志歩
概要
本展は京都精華大学芸術学部造形学科洋画専攻4回生7名によるグループ展である。様々な表現方法がある中から、私たちは物質(マテリアル)に魅入られて制作に取り組んでいる。
各作家が選んだ一つ一つの物質—マテリアルはただの「もの」にすぎないが、作家が愛し紡ぐことで、「もの」は触れる者の心を揺さぶる存在へと変化する。
作家とマテリアルとの関係が具現化され、自己の精神や見えざる世界が新たなイメージとして浮かび上がる。キャンバス、パネル、紙、ビニール、写真、糸、土…。これら様々なマテリアルを通じて表現される作品は、各作家にとって、救いや執着という複雑な感情が凝縮された「愛」である。
素材、物質を愛した7人の作家が作り出す作品群—Material Love。物質が秘める力と作家が紡ぐ作品、これらは一体何を語りかけてくるだろうか。私たちは知りたい。
アーティストプロフィール
荒井鈴奈 | Arai Rinna
2003年生まれ、兵庫県出身
憶の糸をつむぐ。糸は1本の状態から平面に編むと立体にもなる。その特性を活かし、糸に描かれた像をほどき再構築することで、記憶の曖昧さや再生を表現している。紡がれた糸の色が記憶を呼び覚ますきっかけとなるだろう。
《平等院鳳凰堂》2024
《お菓子のパッケージ》2024
小山正| Koyama Shoh
2003年生まれ、島根県出身
「芸術による自由へのアプローチ」
幼少の頃からの閉鎖的な田舎の生活で生まれた自由への思い、そして都会である京都に出てきてからの視点の変化を経た「自由」をテーマとして扱う。
自由に対して、絵具を使って形を残して感情をぶつけることに意味を感じ、現在は油彩画を中心としたアナログな技法で制作している。
《象徴》2024

《これで自由へなれたハズ》2025
坂口静香| Sakaguchi Shizuka
2003年生まれ、兵庫県出身
自分の見た景色や物事を基に「楽しい」を大切にして作品を制作している。それまで作品の制作に用いていた道具以外の素材に興味を持ち、土を自ら採取することで作品とより密接な距離を築けないか模索中。フレスコやシーチングなど様々な技法や素材を扱う。
《二色丼》2025
《soil and sheets》2025
新谷嘉子| Shintani Kanako
2003年生まれ、兵庫県出身
情報が溢れ、大切なものさえ埋もれてしまう時代。だからこそ、私は「コピー用紙の湾曲」を繰り返す。本来、記録や伝達のために使われる紙を変形させるシンプルな行為の循環の中で、情報の輪郭と欠落を一つの画面に浮かび上がらせる。形なき情報と物質が交錯するこの世界で我々は何を信じ、何を見るのか。
《inner cosmos》2025
《spillover》2025
中村琴梨| Nakamura Kotori
2003 年生まれ、滋賀県出身
「影」を手がかりに、知覚し得ない私たちの傍の世界の形を模索している。直接触れることはできない非物質の情報を、ものとして手に宿すことで、時間や距離を超えた遠くの人と繋がりたいと思っている。
《a pair of shadow》2025
《visualize shadow》2025
鍋倉悠希| Nabekura Yuki
2002年生まれ、兵庫県出身
薄い色を何層にもかけて画面を作るグレーズ技法を使用する。少しずつ変化していく画面と共に、様々な要素が影響し合い行われる‟みる”という現象を発生させる。
一見伺える出来事(絵画)の前に訪れた時、私たちはいったい何をみるのだろうか。
《 いたりきたり》2025
《胡蝶蘭》2025
村田成| Murata Joe
2003 年生まれ、大阪府出身
折るという外側の力で、内側のイメージを折り建てる折り紙。形を解剖して見える交錯した折り目から、行為の複雑さを可視化する。幼少の頃から誰もが慣れ親しみ、想いやイメージを形にするという折り紙を媒体に、物事の見方を俯瞰的に考えていく。
《無題》 2024
《Horizont》2025