展覧会Exhibitions
京都精華大学50周年記念展「石黒宗麿と八瀬陶窯 —五〇年目の窯出し—」
2018.12.14 - 2019.01.12
- 開場時間
- 11:00~18:00 ※ただし、12月14日(金)は16:00開場
- 休館日
- 日曜日、12月24日(月・祝)、12月29日(土)〜1月6日(日)
- 入館料
- 無料
- 会場
- 京都精華大学ギャラリーフロール
- 主催
- 京都精華大学
- 協力
- 射水市新湊博物館/銀座 黒田陶苑/金田正夫(有限会社無垢里)/木立雅朗(立命館大学)/黒石いずみ(青山学院大学)/坂部真理(株式会社環境事業計画研究所)/田畑幸嗣(早稲田大学)/ナワビ矢麻(早稲田大学)/余語琢磨(早稲田大学)
- 企画
- 京都精華大学 八瀬陶窯研究会(米原有二/奥村博美/斎藤光/兼松佳宏/中村裕太)
- 実行委員会
- 小野公久/木村盛伸/黒田佳雄/鯉江良二/清水保孝/馬場弘吉/原清/森口邦彦
概要
伝統に根ざし、伝統に縛られず。
独学でありながら、生涯でこれほど多くの作風に挑んだ陶芸家は稀ではないでしょうか。石黒宗麿は、古代から連綿と積み重ねられた陶芸技法の数々を紐解き、再現し、それを自身の表現に取り込もうとした人でした。陶片を師に、物の声に懸命に耳を傾けて陶芸を学びました。晩年の石黒が暮らし、作陶の場とした「八瀬陶窯(やせとうよう)」には、自身の理想を追い求め、先人たちの技法に学び続けた石黒の痕跡が随所に残っています。
京都精華大学では、八瀬陶窯とそこに残された陶片の検証を起点とした調査・研究活動を2018年からおこなっています。八瀬陶窯は、大正・昭和を生きた文人の美意識を今に伝えます。そして、暮らしと作陶が連続した人生を送った石黒の精神性を読み解くにはこれ以上ない場所です。調査研究の結果、登り窯周辺で土砂に埋もれていた「灯油窯」と「楽窯」が新たに発見され、これまで明らかになっていなかった石黒の作陶設備を知る手がかりとなりました。
2018年6月、本研究の一環として実施した登り窯測量調査において、窯内から石黒作とおもわれる「木葉天目茶碗(このはてんもくちゃわん)」が発見されました。本作品は焼成時に容れる「匣鉢(さや)」に納められた状態で残っており、焼成時に匣鉢と作品の付着を防ぐための目土も付いたままだったことから、石黒自身が焼成後に取り出すのを忘れたものと考えられます。本作品においては未解明な部分も多く、今後さまざまな機関と協力して全容を解明していきます。本展では、新たに知り得た石黒の作陶風景を共有するとともに、いまだ明らかになっていない人物像を皆様と共に考えるきっかけになればうれしく思います。
概要
撮影:表恒匡
石黒宗麿 ISHIGURO Munemaro 1893―1968
1893(明治26)年、富山県射水郡作道村(現射水市)に医者の長男として生まれる。25歳の頃に見た曜変天目茶碗の美しさに感銘を受け陶芸家を志す。東京、埼玉、金沢と転居しながら作陶を続け、1927(昭和2)年に京都市東山区に居を移す。天目釉を中心に東洋古陶磁のさまざまな技法研究に取り組んだが特定の師にはつかず、古陶磁を教材として製陶研究に勤しんだ。1936(昭和11)年には京都市左京区八瀬に築窯した住居兼工房である「八瀬陶窯」で作陶を始める。1955(昭和30)年、鉄釉陶器の技法で重要無形文化財保持者(人間国宝)認定を受けた。1956(昭和31)年に八瀬陶窯を財団法人化し、後進の陶芸家養成の拠点づくりをめざした。
提供:射水市新湊博物館
関連イベント
オープニングトーク&レセプション(申込不要・入場無料)
2018年12月14日(金)
17:00〜 オープニングトーク「八瀬での石黒宗麿を語る」
登壇者:本展実行委員会、本学教員
会場:京都精華大学ギャラリーフロール
トーク終了後 レセプション
会場:京都精華大学iC-Cube(明窓館M-101)
八瀬陶窯 探訪ツアー(要申込)
2019年1月12日(土)13:00〜16:00(雨天決行)
本学教員と共に石黒の工房兼住居「八瀬陶窯」を訪ねます。
集合場所・時間:13:00 ギャラリーフロール
参加料:無料(ただし、移動のための交通費がかかります)
定員:20名 (先着順、定員になり次第締め切ります)
申込方法:1月10日(木)までに、お名前と携帯電話番号を記載の上、fleur@kyoto-seika.ac.jpまでお申し込み下さい。
定員に達したため、申込みを締め切らせていただきました。
展示風景