トップページ > 展覧会情報:過去の展覧会 > Obsession Conception Possession

展覧会Exhibitions

Obsession Conception Possession

2018.09.10 - 2018.09.30

開場時間
11:00~18:00
休館日
水曜日・日曜日 (9月30日は開廊)
入館料
無料
会場
京都精華大学ギャラリーフロール
主催・企画
Obsession Conception Possession実行委員会、京都精華大学 デザイン学部 イラスト学科
協力
20202(ツーオーツーオーツー)
助成
公益財団法人 朝日新聞文化財団、公益財団法人 野村財団

概要

アイディアやコンセプトが作品の中心的役割をはたすという概念が、コンセプチャル・アートとして1960年代に美術のジャンルとして用いられ始めてから半世紀以上が経過しました。アメリカ、ヨーロッパで発生したこの流れも現代の視点で標榜したとき、時代や国、文化的な背景も含めさらに多様化しています。

今展覧会では20年以上のキャリアを持ち、それぞれ異なる視点でアイディアという言葉だけではとどめることの出来ない思考と探求の痕跡を作品化している、桑島 秀樹、笹口 数 、佐藤 実、古屋 俊彦、そして若林 雅人という五作家の作品、インスタレーションを一同に展示する事により、現在の日本に於けるコンセプチャル・アートの堅固な表現の一端に触れる機会をつくります。そして作品を通じて、美術のフィールドから物理、哲学、言語学、など様々な世界へ通じる、新たな視点を提示することになるでしょう。

今展のタイトル「Obsession Conception Possession」について。作品制作のきっかけとなるイメージとは、まだ言葉やビジュアルに変換される以前の、思考の中にある輪郭のはっきりしない思いやこだわり(Obsession)から始まり、そこから次第にその思考に輪郭や言葉を与える作業へ移行し、時間をかけ研究、検証される行為とともに制作が開始されコンセプト(Conception) になっていきます。そして制作された作品は何者か、あるいは何処かに所蔵、所有される所蔵品(Possession)となるという、作品を巡る一つのプロセスを言葉として置き換えたものであり、今展覧会のテーマとなっています。作品を中心として、自己に立返り、世界と繋がるプロセスを再考出来る機会となればと考えます。

出品作家

桑島 秀樹(Hideki Kuwajima)

1964年生まれ。アーティスト、日本写真専門学校卒、大阪市出身、京都市在住。1988年より(株)八木スタジオに入社。広告写真の現場にて撮影技術の研鑽を積み、その後独立。1991年より自らの経験値、及び原風景に基づいた作品 制作を開始、2004年よりレントゲンヴェルケ(東京)、YODギャラリー(大阪)を拠点に現代美術作家としての活動へ移行、現在に至る。受賞「APA2000」グランプリ/2000年、他。

笹口 数(Kazz Sasaguchi)

http://www.kazzsasaguchi.com
1962年生まれ。アーティスト。1990年代の終わりより、見慣れた対象の背後にある集団的な記憶を探る試みを、入念なリサーチや建築デザインの経験をベースにした様々なメディアやスケールでの作品制作を通して継続している。近年はLocation Zeroの概念をもとに、人間的な時間、人間的な空間の記憶を、より広範な時の周期、より深淵な光の 運動のなかに重ね見る試みを行う。「Winter Stars In The Mid Summer Sky」エントランスアートワーク、エビススバルビル東京。

佐藤 実(Minoru Sato)

http://www.ms-wrk.com
1963年生まれ。自然の現象と人がそれに対して持つ考え方の関係に関心を持ち、1980年代末より芸術表現として作品を制作している。主に音や光の現 象とテクストを用いた展示作品・パフォーマンス作品を発表している。1994年-2006年レーベルWrK運営。 2004年よりASUNAとの共同作業としてライブパフォーマンス・音源リリースなども行っている。また学芸活動として作曲家アルヴィン・ルシエの作品研究を行なっている。

古屋 俊彦(Toshihiko Furuya)

http://www.furuyatoshihiko.com/
1960年生まれ。芸術家、哲学研究家。法政大学大学院修了。文字、線、人為的制作物、結晶、固有名詞などに関する実験芸術作品の制作、文字の歴史研究、映画作品や写真作品の成立過程研究、文学作品の試作、芸術批評、展覧会 企画を行う。主な個展、1998年「連鎖構造の決定をめぐるギャンブルのルール」宮城県美術館、 2000年「文字と音響 との交換に於ける回帰的な伝達の遅れ」川崎市市民ミュージアム、 2011年「非周期的結晶」20202。

若林 雅人(Masato Wakabayashi)

http://www.masatowakabayashi.com/
1965年東京生まれ。1987年~1990年マドリッドにて古典絵画技法とフラメンコギター演奏を学ぶ。1995年ロンドンチェルシーカレッジ大学院彫刻科修了。1997年CCA北九州に参加。1999年東京に拠点を移し、サキサトムと企画したビデオアート上映会「ブレイク・イン・シアター」を国内各地の美術館等で展開。繰り返される行為の蓄積を、絵画、写真、ビデオ、パフォーマンス、ギター演奏等、多様な方法で作品化する。

関連イベント

Obsession Conception Possession Extra Sound Event

9月8日(土)18:00~20:00
料金:1000円
会場:STUDIO22(スタジオフジ)
〒615-0923 京都府京都市右京区梅津中倉町34-2
出演:ニシジマ・アツシ(Ч)、佐藤 実(Minoru Sato、-m/s)
予約不要、お気軽にお越しください。

展覧会のプレオープニングイベントとして京都を拠点に活動するニシジマ・アツシ氏と、今展覧会出品作家、佐藤 実氏のサウンドイベントを開催します。
佐藤 実氏にはこのイベントのために作品”circuit model of physical vibration for power source”を使用し、パフォーマンスしていただきます。
“circuit model of physical vibration for power source”
交流により変動する電磁力と重力を利用。コイル自身にかかる重力と引き上げようとする電磁力によって引き起こる力学振動は回路上での安定を求めて、多様な変化を生み出す。
For this work I construct a circuit model of physical vibration for AC power by using several electromagnetic coils. The model presents the dynamic relation between the electromagnetic force by AC power and gravity. It generates variable shifts of physical vibration caused between the periodic pulling force by varied electromagnetic shifts and the gravity of solenoid coils.

●出演者プロフィール
ニシジマ・アツシ(Atsushi Nishijima)
1965年 京都市生まれ。大阪芸術大学 音楽学科 音楽工学専攻 卒業。
80 年代半ばより実験音楽の制作、ライブ・エレクトロニック・ミュージックによる演奏を始める。その後、音が持つ様々な側面から発想したヴィジュアル作品の制作も始める。2007年から2012年の間には、作曲家ジョン・ケージの生誕100周年イベント「John Cage Countdown Event2007-2012」を主宰し、連年公演を行うなど国内外を問わず、展覧会や演奏活動を精力的に展開している。2014 年には文化庁新進芸術家海外研修制度にてベルリンに滞在し、作品制作・演奏活動も行っている。

オープニングトーク

9月10日(月) 17:00-18:00
入場:無料
京都精華大学ギャラリーフロール
出演:桑島 秀樹、笹口 数、佐藤 実、古屋 俊彦、若林 雅人

展覧会オープ二ングとして、出品作家によるトークイベントを開催します。若林 雅人氏のイベント出演はこの日のみ。
関西での発表は初となる作品シリーズ「光のゆくえ」について、ぜひこの機会にお話をお聞きください。
予約等は不要ですのでぜひお気軽にご参加ください。

古屋 俊彦トーク

9月15日(土)16:00-18:00
入場:無料
京都精華大学ギャラリーフロール
出演:古屋 俊彦

哲学、言語学、映像論など多岐にわたる分野に深い造詣を持つ今展覧会出品作家、古屋 俊彦氏によるトークイベント。
展覧会作品に関連する文字と柱。その起源から、古屋氏の作品「合成六角生成文字文書」にいたるまで、古屋氏の目を開かせてくれるような考察をお楽しみください。

クロージングトーク

9月29日(土) 16:00-18:00
入場:無料
出演:桑島 秀樹、笹口 数、佐藤 実、古屋 俊彦、藤本 ゆかり
ゲスト:前林 明次
司会:伊藤麻衣子

前林 明次さんをスペシャルゲストにお迎えし、氏の作品制作について伺い、今展覧会出品作家、キュレーターを交えてObsessionとは、Conceptionとは、そしてPossessionについてトークを行います。

前林明次(Akitsugu Maebayashi)
身体と環境のインターフェイスとして「音」をとらえ、人と場所との関わりへの想像力を喚起する作品制作を行っている。
主な作品・展示に《AUDIBLE DISTANCE》(1997)、《Sonic Interface》(1999-)、《Container for dreaming》(2011)、《OKINAWA NOISE MAP》(2016)、《場所をつくる旅》(2017)などがある。現在、情報科学芸術大学院大学[IAMAS]教員。

アーティストガイド

9月30日(日)
桑島 秀樹、笹口 数、佐藤 実、古屋 俊彦在廊。
お気軽にお声掛けください。