展覧会Exhibitions
本の空間―ざわめきのたび
2015.12.18 - 2016.01.23
- 開場時間
- 11:00~18:00 ※ただし、初日12月18日(金)は15:00~18:00、最終日1月23日(土)は11:00~17:00
- 休館日
- 日曜日、2015年12月28日(月)~2016年1月2日(土)、11日(月・祝)、15日(金)、16日(土)
- 入館料
- 無料
- 会場
- 京都精華大学ギャラリーフロール
- 主催
- 京都精華大学
- 企画
- 吉岡恵美子(京都精華大学 芸術学部 教員)
- 展示構成
- 藤本壮介×京都精華大学 デザイン学部 建築学科
- グラフィック
- 加瀬部敏志
- 制作スタッフ
- 川角礼子
概要
今年度第2回目の本学主催企画展として、「本の空間―ざわめきのたび」展を開催します。 建築の第一線で活躍する気鋭の建築家であり、本学の客員教員でもある藤本壮介氏が本学建築学科で実施するワークショップにおいて、学生らが藤本氏の監修のもと、本展のための「本棚」を核とするライブラリー&リーディングスペースを作るというプロジェクトが進行中です。
このギャラリーフロールは、かつて大学の図書館として機能していた場所でした。その記憶を呼び覚ますかのように、ライブラリースペースがギャラリーのメインの空間に展開され、様々な分野で活躍中の多彩なゲストが独自の視点でセレクトした書籍が本棚に配架されます。
さらに、注目の現代美術家による「本」をテーマとする作品や、「本」を媒介としながら人間の記憶や感情などを表現する作品もギャラリー内で展示されます。ユニークな選書によるライブラリーと、「本」をキーワードとした作品展示からなる刺激的な空間の中で、来場者は心身に響く「ざわめき」を感じ取り、創造性に満ちた「たび」のはじまりを予感することでしょう。
会期中は、藤本壮介氏と本展キュレーター 吉岡恵美子との対談や、出品作家、選書を依頼した各分野の専門家(「ブックマスター」)らによるトークイベントも開催し、本学ならではの多領域にわたる知と感性の刺激の場、発見の場となることを願います。
展示構成
プロジェクト1:ライブラリースペース
建築の第一線で活躍する建築家であり本学の客員教員でもある藤本壮介氏が実施するワークショップにおいて、学生らが氏の監修のもと、本展のための「本棚」を制作し、ギャラリー空間にライブラリースペースを立ち上げます。
藤本壮介(Sou FUJIMOTO)
建築家。1971年北海道生まれ。1994年、東京大学工学部建築学科卒業。2000年、藤本壮介建築設計事務所設立。代表作として情緒障害児短期治療施設バウムハウス(2006、北海道)、武蔵野美術大学 美術館・図書館(2010、東京)、House NA(2011、東京)、Serpentine Gallery Pavilion 2013(ロンドン)など。2005年よりAR Awardを3年連続受賞。2008年、JIA 日本建築大賞。2012年、第13回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館展示で金獅子賞受賞。
ワークショップ
本学デザイン学部建築学科1~4年生を対象に、藤本壮介客員教員によるワークショップを実施。多領域にわたる本の海を来場者が漂いながら目指す1冊に出会い、ゆっくりとその知に触れることのできる空間構成を考察。最終的にギャラリーにて本棚を核とするライブラリー空間を立ち上げるプロジェクトである。
協力:京都精華大学デザイン学部建築学科
藤本壮介《Serpentine Gallery Pavilion 2013》
ロンドン、2013
Photo: Iwan Baan
プロジェクト2:ブックマスターによる選書
このギャラリーは、かつて本学の図書館として機能していた場所でした。その記憶を呼び覚ますかのように、ライブラリースペースがギャラリーの中央に展開され、様々な分野で活躍中の多彩なゲストが独自の視点でセレクトした書籍が本棚に配架されます。
プロジェクト3:アートワーク展示
さらに、注目の現代美術家による「本」をテーマとする作品や、「本」を媒介としながら人間の記憶や感情などを表現する作品もギャラリー内で展示されます。
ブックマスター
荒井良二(Ryoji ARAI)
1956年山形県生まれ。イラストレーター・絵本作家として国内外で高い評価を得ている。「みちのおくの芸術祭山形ビエンナーレ」アーティスティック・ディレクターに就任。2013年より京都精華大学客員教員に就任する。
内田 樹(Tatsuru UCHIDA)
1950年東京都生まれ。専門はフランス現代思想、武道論、教育論など。合気道凱風館師範。近著に『困難な成熟』『日本戦後史論』(白井聡との共著)『日本の反知性主義』(編著)ほか著書多数。2015年より京都精華大学人文学部客員教員。
佐藤守弘(Morihiro SATOW)
1966年京都府生まれ。芸術学・視覚文化論専攻。視覚的イメージが果たした社会的な機能について幅広く研究。主な著書に『トポグラフィの日本近代―江戸泥絵・横浜写真・芸術写真』など。京都精華大学デザイン学部教員。
鈴木隆之(Takayuki SUZUKI)
1961年千葉県生まれ。建築家、小説家。建築近作に「小説家の家」他。著書に『ポートレイト・イン・ナンバー』『未来の地形』『パーフェクト・ワールド』『500万で家をつくろうと思った』など。京都精華大学デザイン学部教員。
スプツニ子!(Sputniko!)
1985年東京都生まれ。アーティスト。テクノロジーによって変化していく人間の在り方や社会を反映させた映像、音楽、写真、パフォーマンス作品を制作。2013年よりマサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボ助教に就任。
竹宮惠子(Keiko TAKEMIYA)
1950年徳島県生まれ。17歳で雑誌『COM』に佳作入選、漫画家デビューを果たす。1980年、『風と木の詩』『地球へ…』で第25回小学館漫画賞を受賞。2000年に京都精華大学の教員に就任。2014年4月より京都精華大学学長。
谷川 渥(Atsushi TANIGAWA)
美学者。東京大学大学院博士課程修了。文学博士。現在、京都精華大学客員教員。マニエリスム、バロックからモダニズム、現代美術にいたる領域を視野に収め、芸術時間論、廃墟論、だまし絵論、シュルレアリスム論、「芸術の皮膚論」などを展開。
塚原悠也(Yuya TSUKAHARA)
1979年京都府生まれ。2004年関西学院大学文学研究科美学専攻修了。2006年「contact Gonzo」結成。国内外のダンスフェスティバルや展覧会に多数参加。2011年よりセゾン文化財団助成対象アーティスト。
幅 允孝(Yoshitaka HABA)
1976年愛知県津島市生まれ。有限会社BACH(バッハ)代表。ブックディレクター。未知なる本を手にしてもらう機会をつくるため、本屋と異業種を結びつけたり、病院や企業ライブラリーの制作をしている。
姫野希美(Kimi HIMENO)
赤々舎代表取締役、編集長。2006年に赤々舎を設立。木村伊兵衛写真賞の志賀理江子『CANARY』、高木こずえ『MID』、百々新『対岸』など、写真集、美術書を中心に130冊余りの書籍刊行。2014年より東京工芸大学教授。
藤野可織(Kaori FUJINO)
1980年京都市生まれ。2006年『いやしい鳥』で文學界新人賞、2013年『爪と目』で芥川龍之介賞、2014年『おはなしして子ちゃん』でフラウ文芸大賞受賞。他に『パトロネ』『ファイナルガール』など。最新刊は『木幡狐』。
藤本壮介(Sou FUJIMOTO)
プロフィールはプロジェクト1に記載
みうらじゅん(Jun MIURA)
1958年京都市生まれ。武蔵野美術大学在学中に『月刊漫画ガロ』にてマンガ家デビュー。イラストレーター、作家、ミュージシャンなど幅広い分野で活動。最新刊『「ない仕事」の作り方』(文藝春秋)ほか著書多数。
李 禹煥(LEE Ufan)
1936年韓国生まれ。1956年来日。1961年日本大学文学部哲学科卒業。1960年代後半から「もの派」の中心的存在として国内外で評価を得つつ、独自の表現世界を確立。各地での国際展に参加。2015年より京都精華大学客員教員。
出品作家
廣瀬智央(Satoshi HIROSE)
1963年東京都生まれ。1989年多摩美術大学卒業。1997年ミラノ・ブレラ美術アカデミー修了。異文化の体験を推敲し日常的な素材を用いて視覚化した、透明感と浮遊感を伴う作品を制作。主な展覧会は「レモンプロジェクト 03」(1997、ザ・ギンザアートスペース、東京)、「先立未来」(2001、ペッチ現代美術館、イタリア)、「未来への回路―日本の新世代アーティスト」(2004~、巡回)、「混浴温泉世界 2012」(別府市内各所)など。
廣瀬智央 《Blue Box》 2005
撮影:上野則宏
Courtesy Tomio Koyama Gallery Inc.
© 2015 Satoshi Hirose All rights reserved.
森 太三(Taizo MORI)
1974 年大阪府生まれ。1999年京都精華大学大学院美術研究科修了。紙や粘土などの小さなカタチを出発点とし、身体感覚に基づいて集積・配列させ、不可視な世界を感じさせる風景を表出させる。展覧会企画や展示設営、ワークショップなどの活動も展開。主な展覧会は「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」(2009、新潟)、個展「記憶と気象」(2013、ギャラリーPARC、京都)、「六甲ミーツ・アート芸術散歩2015」(兵庫県)など。
森太三 《sea change》 2004
撮影:福永一夫
八木良太(Lyota YAGI)
1980年愛媛県生まれ。京都造形芸術大学空間演出デザイン学科卒業。音響作品、オブジェ、映像、インスタレーション、インタラクティブな作品など表現方法は多岐にわたる。主な展覧会は「ヨコハマトリエンナーレ2011」(横浜美術館)、「サイエンス/フィクション」(2014、神奈川県民ホールギャラリー)、「phono/graph ― 音・文字・グラフィック」(2015、神戸アートビレッジセンター)、「六甲ミーツ・アート芸術散歩2015」(兵庫県)など。
八木良太 《Book of Light》 2003-2014
撮影:表恒匡
吉本直子(Naoko YOSHIMOTO)
1972年兵庫県生まれ。文化庁新進芸術家海外留学制度派遣研修員及びポーラ美術振興財団在外研修員として英国に滞在。古着に残された記憶を掬い上げ「生」や「死」に想いを馳せる作品を制作。主な展覧会は、「吉本直子 Reflection Space-鼓動の庭」(2012、愛知県美術館)、「16th DOMANI 明日展 未来を担う芸術家たち」(2013、国立新美術館)、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」(2015、新潟)など。
吉本直子 《the book》 2005
撮影:矢野誠
関連プログラム
※全て無料
可能性の空間:『本の空間』ワークショップについて
日時:12月18日(金)18:00~19:30
対談:藤本壮介(建築家/京都精華大学客員教員)× 吉岡恵美子(本展キュレーター/京都精華大学教員)
[Coordinator:鈴木隆之]
会場:京都精華大学 本館3階 H-303
http://www.kyoto-seika.ac.jp/info/event/lecture/2015/10/02/34316/
藤本壮介ワークショップ参加学生によるトーク
日時:12月19日(土)13:00~14:00
会場:ギャラリーフロール
「世界一美しい本を作る男~シュタイデルとの旅」(2010、88分)上映会
日時:12月26日(土)15:00~、1月7日(木)16:30~
会場:ギャラリーフロール
http://steidl-movie.com
アーティストによるギャラリートーク
森太三、八木良太、吉本直子 [モデレーター:吉岡恵美子]
日時:1月8日(金)17:00~18:00
会場:ギャラリーフロール
ブックマスターによるギャラリートーク 竹宮惠子×佐藤守弘
関連プログラムとして、本展ブックマスターの竹宮惠子(本学学長)と佐藤守弘(本学デザイン学部教員)によるギャラリートークを開催します。お二人が選書された本にまつわるエピソードや「本」をめぐる空間について、じっくりとお話いただきます。
選書テーマ:竹宮惠子「冒険」、佐藤守弘「記憶」
日時:1月22日(金)17:00~18:00
会場:ギャラリーフロール
※入場無料、先着順
※都合により、展示の内容が一部変更となる場合があります
記録
カタログ
『本の空間―ざわめきのたび』
単価(税込):700円
http://www.kyoto-seika.ac.jp/fleur/exhibition/catalog.php
14名のブックマスターによる書籍リスト、藤本壮介と吉岡恵美子による対談録等を掲載。