展覧会Exhibitions
京都精華大学卒業生ファイル ―未来と出会う―
2015.06.06 - 2015.06.13
- 開場時間
- 11:00~18:00 ※6月7日(日)のみ10:00~16:00
- 休館日
- なし
- 入館料
- 無料
- 会場
- 京都精華大学ギャラリーフロール
- 主催
- 京都精華大学 入試課
概要
本展では、この春に卒業した気鋭の若手作家から、着実にキャリアを重ね世界から高い評価を得る作家まで、アートやイラストレーション、アニメーションなど各界で活躍する14名の卒業生を紹介します。
自然や動物の姿を描いた絵画、子供用玩具や既製品を素材につくった立体作品、どこかの国の何気ない風景を撮影した写真など、作品のテーマや表現方法はさまざまですが、いずれの作品も、生と死、身体、感覚、記憶、感情といった人間の根源的な要素に対する私たちの思考を揺さぶり、訴えかけます。 表現者として生きていくことはいつの時代も困難ですが、社会やコミュニティが多様化し、異なる価値観や文化との相互理解が必要となるこれからの時代においては、人間のあり方や社会の問題に対して新たな視座を与えてくれる作家の役割はより重要になるはずです。
描き、つくることの魅力を知り、芸術表現の可能性を信じて歩み続ける卒業生たち。独自の表現を追求するかれらの作品を通して、本学で身につけた力がどのように展開され新たな表現が生まれているのかを実感してください。
会期中の6月7日(日)は、本学への進学を検討している方を対象としたオープンキャンパスを開催します。これから表現の世界への一歩を踏み出そうとする高校生のみなさんにとって、未来の自分の姿を卒業生に重ね、希望をもって進路を選択する機会となることを期待します。
出品作家
塩田千春
現代美術作家。1996年京都精華大学美術学部造形学科洋画専門分野卒業。現在、ベルリンを拠点に活動。生と死という人間の根源的な命題に向き合い、「生きることとは何か」「存在とは何か」を探求しつつ、大規模なインスタレーションを中心に、立体、写真、映像など多様な手法を用いた作品を制作。2008年神奈川県民ホールギャラリーの個展「沈黙から」で平成19年度芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。主な個展に、2013年「ありがとうの手紙」(高知県立美術館)、2012年「私たちの行方」(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館)、「Synchronizing Strings and Rhizomes」(Casa Asia/スペイン)、2008年「精神の呼吸」国立国際美術館など。2006年「第6回光州ビエンナーレ」(韓国)、2009年「第3回モスクワビエンナーレ」(ロシア)など、多数の国際展の参加多数。2015年日本館代表作家として「第56回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展」に参加。
http://www.chiharu-shiota.com/
《空っぽの空間(オランダの精神病院跡地)》 2002年
北城貴子
美術作家。京都精華大学美術学部造形学科洋画専門分野卒業。京都市立芸術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。瑞々しい緑や花、雪などの自然を通して光をとらえ、光の存在そのものを絵画で表現することを追求する。主なグループ展に、2015年「大原美術館展―名画への旅―」(静岡市美術館)、2014年「せぴろまの夢 ぴはピカソのピ」(喜多方市美術館)、2013年「Ohara Contemporary」(大原美術館)、「VOCA 2013現代美術の展望―新しい平面の作家たち」(上野の森美術館)(同‘04)、2010年「大原BEST」(大原美術館)、2007年「ヘイリ・アジアプロジェクトⅡ―日本現代芸術祭」(ヘイリ芸術村/韓国)。主な個展に、2014年「浸透する光」(ART FRONT GALLERY)(同’12 ’10)、2011年「The day I touched you」(エスプリ・ヌーボー)(同’01~’09)、2010年「Circulation of the light」(nomart)、2007年「ARKO2006」(大原美術館)。
http://hojotakako.com/
《Saturation8》 2013年
前田朋子
美術作家。京都精華大学美術学部造形学科洋画専門分野卒業。京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻修士課程修了。虚構をモチーフに視覚を認識させる油彩や写真の作品を制作発表する。2004年「VOCA2004 現代美術の展望―新しい平面の作家達」VOCA賞受賞。主なグループ展に2005年「City_ net Asia」(ソウル市美術館/韓国)、2006年「いまあるところ/いまあるわたし」(宇都宮美術館)、2008年「Chinese and japanese Contemporary painting」(上海美術館/中国)、2009年「now here, nowhere」(京都芸術センター)、2014年「絵の中の動物たち」(東京オペラシティアートギャラリー)。主な個展に、2013年「欲望のグラデーション」(高島屋東京店美術画廊X)、2009年「よふけとよあけ」(SOWAKA)、「闇と空と白い花」(第一生命南ギャラリー)、2005「雪景」(Gallery Yamagushi Kunst-Bau)。
《「ハッピーバースデー」シリーズ 〈彼女の欲しいもの〉》 2012年
武田修二郎
日本画家。2000年京都精華大学美術学部造形学科日本画専門分野卒業。2002年京都精華大学大学院芸術研究科修了。「描きたい絵を描くのではなく、今、描ける作品を描く」を座右の銘に、動物や植物の存在感を引き出した生命感あふれる作品を描く。2004年「第39回日春展」入選(同’05 ’06 ’08 ’09’ 10、奨励賞’11 ’13 ’14)、「第36回日展入選」(同’05 ’06 ’07 ’09 ’10 ’11 ’13 ’14)。2008年「京都美術ビエンナーレ 京都府美術工芸新鋭展」招待部門出品。2009年「京都日本画家協会選抜展」京都商工会議所会頭賞受賞。2010年「第45回日春展日春展賞」受賞(同2011年)、「第42回日展」特選受賞。2014年「伊勢神宮式年遷宮記念神宮美術館特別展 静―歌会始御題によせて」出品。2015年「淋派400年記念 現代作家200人による日本画・工芸展 京に生きる淋派の美」選抜出品。
《静刻》 2012年
並木文音
美術作家。2009年京都精華大学芸術学部造形学科立体造形コース卒業。2011年京都精華大学大学院芸術研究科博士前期課程修了。テーマパークのような実体化された仮想現実や空想など、人を惹きつけ一時の心を満たす世界がもつ、刹那的な幸福感や虚構性をテーマにした作品制作を続ける。2010年「Arts Bar@Rissei」(元・立誠小学校)京都府知事賞・オーディエンス賞受賞。主なグループ展に、2014年「京都府美術工芸新鋭展―京都国際現代芸術祭2015への道―」(京都文化博物館)、2010年「P&E 2010」(ARTCOURT Gallery)、2009年「主張てん」(gallery ARTISLONG)。個展として、2013年「ただ、とりとめのない世界。」(gallery ARTISLONG)、2010年「アイ惜」(gallery ARTISLONG)、2009年「I,My,,,me,,,Mine」(C.A.P. STUDIO Y3)を開催。
《あの日見た幻想》 2011年
花岡伸宏
美術作家。2004年京都精華大学芸術学部造形学科立体造形コース卒業。2006年京都精華大学大学院芸術研究科博士前期課程修了。自身で制作した木彫や絵画、既製品などを素材に、脈絡の無いもののイメージ同士を組み合わせることで、それらに付随する意味や価値、物語性などを曖昧にする作品を制作する。2009年「第12回 岡本太郎現代芸術賞展」特別賞、2006年「JEANS FACTORY ART AWARD 2006」優秀賞、2005年「群馬青年ビエンナーレ’05」奨励賞受賞。主なグループ展に、2015年「still moving」(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA)、2013年「ユーモアと飛躍―そこにふれる―」(岡崎市美術博物館)、2013年「集積と解放」(京都府庁旧本館)、2012年「Art Court Frontier 2012 #10(ARTCOURT Gallery)。 主な個展に、2013年「無形の排泄」(MORI YU GALLERY TOKYO/MORI YU GALLERY KYOTO)、2012年「回帰 recurrence」(Gallery PARC)、2012 年「入念な押し出し」(ギャラリー恵風)(同’10)、2011年「不在のための構成」(ARTSPACE-ZERO ONE)。
http://hanaoka.p2.weblife.me/
《無形の排泄(髪頭)》 2013年
青田真也
美術作家。2006年京都精華大学芸術学部造形学科版画専門分野卒業。2008年愛知県立芸術大学大学院美術研究科油画専攻修了。身近な既製品や大量生産品の表面をヤスリで削り落とし、見慣れた表層を奪い去ることで、それらの実質や情報などの価値を問い直す作品を制作。近年は「モノ」にとどまらず、「空間」に対しても同様のアプローチを行っている。主なグループ展に、2010年『あいちトリエンナーレ2010』、2014年『日常/オフレコ』(神奈川芸術劇場)、『MOTアニュアル2014』(東京都現代美術館)、「BankART Life Ⅳ 東アジアの夢」(BankART Studio NYK)。主な個展に、2010年『個展』(青山|目黒)、2014年Showcase Gallery「The Information」(横浜市民ギャラリーあざみ野)、「Shinya Aota 2014」(青山|目黒)。
http://www.shinyaaota.com/
《無題》 撮影:伊奈英次『MOTアニュアル2014 FRAGMENTS』東京都現代美術館 2014年
藤原杏菜
銅版画作家。2007年京都精華大学芸術学部造形学科版画専門分野卒業。夢の中から得たインスピレーションや、独自の言葉遊びなどから派生した人体や空想の動物などが登場する不思議で独特な世界観を持った銅版画作品を展開している。2007年ボローニャ国際絵本原画展入選(イタリア)。2009年チャンウォンアジアアートフェスティバル(韓国)。2011年第7回高知国際版画トリエンナーレ入選。2012年Exposition franco-japonaise d’ estampes(フランス)。2013年Sharjah International Book Fair 2013(アラブ首長国連邦)など海外の展覧会に多数参加。2015年フランス・パリにて展覧会を開催。銅版画のほかに、お菓子でリアルな人体臓器を制作するシリーズ「Annatomia」や、不定期イベントでタロットや占星術などを用いた占いも行う。
http://www.annafujihara.com/
《きぐるうこぶた》 2015年
溝縁真子
写真作家。2007年京都精華大学芸術学部造形学科版画専攻卒業。ブルグ・ギービシェンシュタイン芸術大学大学院写真専攻修了。2013年よりライプツィヒ視覚芸術大学マイスターシューラー課程に在籍し、風景写真を用いた独自の写真表現の開拓を目指している。必然的に目の前に立ちあらわれる光景に対して、人がどのように視線を配っているのかということについて考察し、それをもとに新たなイメージを作り上げることを主な制作スタイルとする。現在はその制作プロセスとコンテクストを生かしたエディション作品として写真集の制作も行っている。2014年ポーラ美術振財団在外研修員。2015年ライプツィヒ・ブックメッセ(ドイツ)、SK文化財団の写真コレクション(ドイツ)に出品。ライプツィヒ・日本の家(ドイツ)にて「zuruck aus Japan(日本からの帰還)」を企画展示。
http://www.makomizobuchi.com/
《Gedächtnislandschaft》 記憶される風景 ©MakoMizobuchi 2013年
西 雄大
美術作家。2015年京都精華大学デザイン学部ビジュアルデザイン学科イラストレーションコース卒業。在学中よりライブペイントなどの活動を開始。「分解と再構築」をテーマに、可愛いけれど気持ち悪い、不思議な印象をもつ作品の制作を続ける。現在は、企業へのイラスト提供やアートイベントのディレクションに携わるなど、幅広い表現領域で創作活動を展開している。
http://nishiyudai.blogspot.jp/
《no title》 2014年
巻田はるか
画家。2011年京都精華大学デザイン学部ビジュアルデザイン学科イラストレーションコース卒業。浮世絵、日本画などの日本的な要素を取り入れた作風を特徴とし、古典的な優美さと現代性をあわせもった女性像など、過去から現在への流れを感じる作品を制作する。現在、京都しるく舞妓シリーズのイラストレーションを担当するなど幅広く活動を行っている。
http://makitaharuka.tumblr.com/
《はなみのかえり》 ©2015 Makita Haruka 2015年
稲葉卓也
アニメーション作家。1999年京都精華大学美術学部デザイン学科ビジュアルコミュニケーションデザイン専門分野卒業。2002年より株式会社ロボットに所属。NHK-BSのキャラクター「ななみちゃん」のキャラクターデザイン及びアニメーションをはじめ、テレビ番組、CM、プロモーションビデオ、絵本などを手がけている。2014年オリジナル短編アニメーション「ゴールデンタイム」で文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞を受賞。
《ゴールデンタイム》 ©ROBOT 2013年
廣田明香
イラストレーター。1999年京都精華大学美術学部デザイン学科ビジュアルコミュニケーションデザイン専門分野卒業。2003年からイラストレーターとして活動。広告や書籍、CDジャケットなどをはじめ、企業とコラボレーションしたTシャツや琴欧州の化粧まわしなど幅広いジャンルでイラストの提供を行っている。また、国内外の展覧会にも多数参加。CWC「チャンス展」ファイナリスト。第141回イラストレーション「チョイス」入選。
http://www.sayakah.com/
《風足~Wind velocity~》 2012年
はまのゆか
絵本作家・イラストレーター。2001年京都精華大学美術学部デザイン学科マンガ専門分野卒業。大学在学中より村上龍の著書イラストを多数担当し、「13歳のハローワーク」(村上龍・著・幻冬舎)はミリオンセラーとなる。文とイラストを手がけた絵本「九九をとなえる王子さま」(あかね書房)は韓国語版も出版され、イラストを担当した絵本に「だめだめママだめ!」(天野慶・文・ほるぷ出版)などがある。また、「泣いたりしないで」(福山雅治・うた)のPVイラストを担当し、ライフワークとして3歳の女の子「mamechan」を主人公にした1コマ漫画を描き続けている。「2007 mamechan cartoon calendar」で第36回日本漫画家協会賞・特別賞を受賞。
http://www.hamanoyuka.net
《mamechan精華大をいく》 2009年
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