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展覧会Exhibitions

Hello & Good-bye 池本勝宏 全仕事展

2000.09.18 - 2000.09.30

開場時間
10:30〜18:30(最終日17:00)
休館日
会期中無休
入場
無料
会場
京都精華大学ギャラリーフロール

概要

京都精華短期大学のデザイン専攻科を1976年に卒業以来、グラフィック分野でのアートディレクションからプロダクト作品、そして個人作品としてのシルクスクリーン版画、写真など、さまざまな方面で活躍の本学非常勤講師も勤める池本勝宏氏が”全仕事展”として約200点の作品を展示します。

Art Side

 大学を卒業して最初の5~6年は、作品づくりへの、試行錯誤をくり返して来ましたが、ようやくシルクスクリーンに絞って安定した作品ができるようになったのは、20代も後半の’80年頃でしょうか。
電話や消化栓のシリーズなどは、自分でも、かなり納得できるスタイルのものでした。
それらの作品は、公募展や版画展で入賞したり、講談社の現代版画年鑑に掲載されて嬉しかったものです。もっと、幅を広げメジャーになれないかと、雑誌などに作品を送ってみました。
これが、予想外に反響があって、NAVIという雑誌を中心に、ブルータスにアーティストとして紹介されたり、作品の依頼をうけたり、ナンバーや流行通信にも作品が掲載されました。しかし、東京と大阪での電話やFAXのやりとりはもどかしく、しょっちゅう編集者と会う訳にもいかず、デザインの仕事もとても忙しくなって、中途半端なまま東京での活動が終わってしまいます。
その頃から、同じものを何枚も刷るのが嫌になってキャンバスに刷りはじめます。筆でテクスチャーを創ったり、色々手を加える事で新しい表現が出来たと思いました。
’90年代に入って私も苦しくなり、作品づくりにも自信を失いかけましたが、上野の森美術館大賞展に入賞し、高い評価をもらって少し安心しました。’80年代の初めの頃、世界の池本になると言って周囲を笑わせていましたが、最近世界が遠くて、その言葉を口に出さなくなりました。しかし2001年から、もう一度世界の池本を目指そうと思います。ぜひ御支援ください。


Job Side

デザイナーとして私が最初に就職したのは、大阪の文具メーカーでした。そこで、ステーショナリーやキャラクター商品の企画・デザインを数年間やり、一通り分かったつもりで、今度は、広告デザインスタジオに入りました。メーカーとデザインスタジオのあまりの違いにカルチャーショックをうけ、1年程で挫折しました。
やっぱり芸術がやりたいと、専門学校の非常勤講師をしながら作品をつくっていましたが、食っていけないので、大手ファーストフード、レストランチェーンの販促室に就職して、今度はクライアントとして、電通や大日本印刷等、総々たる会社を使い仕事をしていました。もちろん、講師も個展も続けていました。7年くらい経って、あまりに目立ち過ぎるので辞めたらといわれました。慌てて、自分のデザイン事務所をつくって、企業時代の経験をいかして、いろんなものをデザインしたり、企画したりしてきました。
ここにある作品は、この数年の中から選んだものです。(25年間で膨大なデザインを手掛けてきました)
そして、この作品を私のアバウトで抽象的なディレクションを理解して作り上げてくれたのは、西田浩子というデザイナーです。彼女の、存在が無ければこれらの作品は出来なかったと思います。深く感謝の気持ちを捧げます。
デザインの世界もコンピューターの出現で、私が業界に入った頃とは仕事の仕方もすっかり変わりました。しかし、アナログからデジタルへ転換していっても、デザインする事の本質は同じだと思います。これからも、いい仕事をして、しっかりと生き残っていきたいと思います。