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展覧会Exhibitions

嶋田美子展:ジェンダー、イメージ、ネーション

2000.02.07 - 2000.02.26

開場時間
10:30〜18:30(最終日17:00)
休館日
2/11(金)・12(土)
入場
無料
会場
京都精華大学ギャラリーフロール
主催
R. Jennison (京都精華大学人文学部教員)
協力
オオタ・ファイン・アーツ

概要

今展では、ジェンダー、イメージ、ネーションをキーワードに新たな視点からこれらを問う作品を制作し注目されている女性アーティストの一人として、嶋田美子氏の日本初公開となる最新の映像作品を含め、版画、インスタレーションなどこれまでの代表作約30点を紹介します。

関連イベント

シンポジウム
「未完の過去から:<女性>と<ネーション>の相貌」
2000年2月19日(土)15:00~17:00

パネリスト: 萩原弘子(大阪女子大学)
岡 真理(大阪女子大学)

会場:京都精華大学アートホール(明窓館・M-104教室)
嶋田美子 講演会
2000年2月26日(土)15:00~17:00
会場:京都精華大学アートホール(明窓館・M-104)
いずれも予約は必要ありません 

ディレクターより

近年、イメージ、ジェンダー、そして「ネーション」を問うような作品を作る現代女性アーティストが注目されている。そうした女性アーティストの一人として、日本の内外で活躍してこられた嶋田美子の作品を紹介できる運びとなった。
今回は、嶋田美子の1992年以降の版画シリーズやインスタレーション:「Past Imperfect」「Comfort Women/Women of Conformity」「Made in Occupied Japan」などより、代表的な作品30点ほどを紹介したい。これらは一人の現代女性アーティストの立場からイメージ、ジェンダー、そしてネーション、それぞれの関係性を浮き彫りにし、新たな視点からこれらを問う一連の作品である。さらに今回は、ニューヨークのPublic School No.1(Artist In Residence Project)で嶋田さんが最新作として創作された「Sleeping With Your Enemy」を日本で初めて公開する運びとなり、それをお見せできることは紹介者としては大変嬉しいことである。

レベッカ・ジェニスン(京都精華大学教員)

略歴

1959年、東京に生まれる。都立国立高等学校卒業後、米国カリフォルニア州、スクリップスカレッジに留学。1982年、人文学・美術専攻で卒業。1993年渡独。
1994年、ベルリン、キュンストラーハウス・ベタニエン、ゲスト・アーティスト。1995年、ベルリン市女性アーティスト奨励基金取得。1996年帰国。1998年から1年間、日米芸術交流プログラムに招聘され、ニューヨーク、PS1・インターナショナル・スタジオ・プログラムのゲスト・アーティスト。

Exhibitions
1995年 「Age of Anxiety」パワー・プラント(カナダ)
1996年 「ジェンダー・記憶の淵から」東京都写真美術館
1997年 「水戸アニュアル:しなやかな共生」水戸芸術館
1998年 「加害・被害」板橋区立美術館
1999年 「ウィンドウズ・インサイド・アウトサイド」光州市立美術館(韓国)

個展 オオタファインアーツ(東京)、ヒラヤ・ギャラリー(マニラ)、
ジョン・バッテン・ギャラリー(香港)、タヘレス(ベルリン)等)

展覧会内容

GENDER
「当時、日本の男にとって女は性欲の対象(娼婦)または母性の優しさ(母)という二つのイメージに別れる存在としてありました。そこで、女は人間としてのリアリティを失い、「娼婦」、「母」として抽象化され、記号化されてしまいました」

嶋田美子

「White Aprons」
エッチング 1993年
「Tied to Apron Strings」
インスタレーション 1993年
NATION
「<わたし>のアイデンティティは国家に収斂されるものではありませんが、<わたし>を構築するものの一つが国家の歴史と文化であることは否めません。わたしたちは国家や民族によって<他者>と否応無しに分断されています」

嶋田美子

 

IMAGE
「私は表現者である<わたし>の位置を提示することによって、観る人に自分の位置というものをもう一度考えさせるようなアーティストでありたい。自分の立っているところをみつめることから、新たなシステムへ変換の可能性が生まれるのではないでしょうか」

嶋田美子

「Look at me/Look at you」
インスタレーション 1995年

 

「A House of Comfort」エッチング 1992年

 

「嶋田美子の作品は忘却への
抵抗であり、記憶への意志である」
「ジェンダー~記憶の淵より」 笠原美智子)